川崎市でペアローンを組んでマイホームを購入したものの、離婚することになった。
「この家には住み続けたいけれど、住宅ローンはどうなる?」
「夫婦のどちらか一方がローンを引き継ぐことはできる?」
「家を売却するしかない?」
「夫婦間売買という方法があると聞いたけれど、本当に利用できる?」
ペアローンで購入した住宅を離婚後どうするかは、単純に「名義を変更すれば終わり」という問題ではありません。

不動産の所有権、住宅ローンの債務、離婚に伴う財産分与、住宅の評価額、今後の返済能力を一つずつ整理する必要があります。
特に川崎市では、住宅価格や住宅ローン残高によって選択肢が大きく変わります。
この記事では、川崎市でペアローンを利用している夫婦が離婚する場合に、
- 家を売却する
- 住宅ローンを一本化する
- 夫婦間売買を行う
- そのまま共有状態にする
といった方法を比較し、どのようなケースでどの方法を検討すべきなのかを不動産実務の観点から解説します。
重要: ペアローンの離婚問題では、「不動産の名義」と「住宅ローンの名義」は別々に考える必要があります。所有権を変更しても、住宅ローンの債務者から自動的に外れるわけではありません。
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川崎市でペアローン離婚をすると家はどうなる?
ペアローンで購入したマイホームを離婚後どうするかは、主に次の4つの選択肢があります。
① 家を売却する
住宅を第三者に売却し、売却代金で住宅ローンを返済します。
売却価格が住宅ローン残高を上回れば、残った資金を財産分与などのルールに従って整理できます。
一方、住宅ローン残高より売却価格が低い場合には、いわゆるオーバーローンの問題が発生します。
② 住宅ローンを一本化する
離婚後も夫または妻のどちらかが自宅に住み続ける場合、住宅ローンを一人の名義にまとめる方法です。
ただし、これは「夫婦で話し合えばできる」というものではありません。
金融機関の審査と承諾が必要です。
住宅ローンを一人で返済できるだけの収入・信用力・担保評価などが求められます。
③ 夫婦間売買をする
夫婦の一方が、もう一方から住宅の持分や不動産そのものを購入する方法です。
例えば、
夫 → 妻へ自宅を売却
という形にして、妻が新たな住宅ローンを利用して夫側の住宅ローン・持分を整理する方法があります。
「離婚するから家を売却する」のではなく、
離婚後も子どもと一緒に自宅に住み続けたい
という場合に検討される方法の一つです。
ただし、夫婦間売買は通常の不動産売買とは異なり、既存住宅ローンの処理、新規融資、抵当権、売買価格、財産分与、税務などを同時に整理する必要があります。
④ 共有名義のまま住み続ける
夫婦双方が所有者・債務者として残る方法です。
一見すると簡単ですが、離婚後も元夫婦が住宅ローンという経済的関係を残すため、基本的には慎重な検討が必要です。
特に、
- 夫が返済を止める
- 妻が返済を負担できなくなる
- 売却したくなったが相手が同意しない
- 再婚・相続などで権利関係が複雑になる
といった問題が発生する可能性があります。
そもそもペアローンとは?
ペアローンとは、夫婦など2人がそれぞれ住宅ローンを契約し、同じ住宅を購入する仕組みです。
例えば、
- 夫:3,000万円
- 妻:2,000万円
というように、それぞれが住宅ローンを借りるケースがあります。
住宅の所有権についても、夫婦それぞれが持分を取得することが一般的です。
フラット35でもペアローンが制度として用意されており、2026年4月1日現在、借換えについても一定の条件のもとでペアローンを利用できる仕組みがあります。
しかし、離婚すると事情が変わります。
離婚時に特に問題になる3つのポイント
ペアローン離婚で最も重要なのは、次の3つを混同しないことです。

① 不動産の所有権
誰が家を所有しているのか。
例えば、
夫50%・妻50%
という共有持分になっているケースがあります。
② 住宅ローンの債務
誰がいくら借りているのか。
例えば、
夫:住宅ローン2,500万円
妻:住宅ローン1,500万円
という状態です。
③ 財産分与
離婚に伴い、住宅の価値や住宅ローンを含めた夫婦の財産をどのように整理するのかという問題です。
つまり、
「妻が家をもらうことになった」
としても、それだけで夫の住宅ローン債務が消えるわけではありません。
ここがペアローン離婚で最も注意すべきポイントです。

川崎市のペアローン離婚|売却・住宅ローン一本化・夫婦間売買の解決事例
以下の3事例は、あくまで説明用のモデルケースです。実際の財産分与では、婚姻期間、頭金の出所、ローン返済、特有財産、他の預貯金・負債なども確認する必要があります。法務省も財産分与について、夫婦の財産の清算を基本に、個別事情を考慮して協議するものと説明しています。
川崎市でペアローンを組んでマイホームを購入した夫婦が離婚する場合、「家をどうするか」は非常に大きな問題になります。
ここでは、川崎市の住宅を想定した3つのモデルケースについて、

①家を売却するケース
②住宅ローンを一本化するケース
③夫婦間売買を利用するケース
を、それぞれ財産分与まで含めて具体的な数字で解説します。
なお、住宅ローンの名義変更や債務引受は夫婦間の合意だけでは完了しません。金融機関の承諾・審査が必要です。住宅金融支援機構も、返済中の住宅を譲渡する場合には原則として融資金の返済が必要で、離婚などの場合には金融機関への相談を案内しています。
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コーラルの強みは、離婚時の夫婦間売買や親族間売買を前提に、相談から取引完了までを一気通貫で支える点です。調布市のように家の価格が高めのエリアでは、売却一択にせず、住み続ける方法を残せるかが重要になります。そこを実務で詰めていくサービスです。
たとえば、妻が家を買い取り子どもの生活を維持するケース、オーバーローンに近く通常売却では整理しにくいケース、財産分与と売買を組み合わせて着地点を探すケース。こうした場面で、手続きの順番や金融機関対応を整えやすくなります。仲介手数料は一般的な水準より抑えた設定で、費用負担を軽くしたい人には利点があります。
利用時は、まず物件情報とローン残高、離婚協議の進み具合を確認し、売却か夫婦間売買かを整理します。そのうえで査定、金融機関確認、契約、登記へ進みます。条件が合うかは案件次第ですが、家を残したい人には相性がいい方法です。無理に売らない、という選択肢が持てるのは大きいです。
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以下ではコーラルで相談から取引までをお手伝いした川崎市で想定される、離婚時の財産分与に関する代表的な事例を5つご紹介します。実際の相談でもよく見られるケースを基にしたモデル事例です。
事例①|川崎市の自宅を売却して財産分与するケース

「離婚後は夫婦ともに家を出る」という選択
家族構成
- 夫:会社員
- 妻:会社員
- 子ども:1人
- 川崎市内のマンション
- ペアローン
- 所有権:夫50%・妻50%
現在の資産状況
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| マンションの現在価格 | 5,000万円 |
| 夫の住宅ローン残高 | 2,000万円 |
| 妻の住宅ローン残高 | 1,500万円 |
| 住宅ローン合計 | 3,500万円 |
| 売却価格 | 5,000万円 |
ここでは説明を簡単にするため、仲介手数料などの売却費用は考慮しません。
売却するとどうなる?
5,000万円で売却し、住宅ローン3,500万円を返済すると、
5,000万円-3,500万円=1,500万円
が残ります。
この1,500万円が、夫婦の住宅に関する純資産です。
夫婦の持分が50%ずつで、財産分与についても基本的に折半する合意をした場合、
- 夫:750万円
- 妻:750万円
という整理が考えられます。
このケースのメリット
最大のメリットは、
離婚後に元夫婦が住宅ローンでつながらなくなる
ことです。
売却代金から住宅ローンを完済し、必要な手続きを行えば、夫婦双方が住宅ローンから離れることができます。
このケースのデメリット
最大のデメリットは、
現在の家に住み続けられない
ことです。
特に子どもがいる場合、
- 転校
- 通学環境の変化
- 引っ越し費用
- 新居の家賃・住宅購入費
などが発生します。
このケースが向いている人
「離婚後に家へ住み続ける必要はない」
「元夫婦の住宅ローン関係を完全に解消したい」
という場合には、売却が比較的シンプルな解決方法になります。
離婚時に家を売却する場合の流れ・費用・税金
家を売却する場合は、査定、金融機関への確認、媒介契約、販売活動、売買契約、決済・引き渡しの順に進みます。離婚前に売却方針を決めるなら、夫婦双方が条件を確認し、売却価格や費用負担を文書に残しておくことが重要です。
不動産査定から引き渡しまでの手続き
まず川崎市の不動産会社に査定を依頼し、住宅ローン残高と比較します。売却して完済できる見込みがあるなら、媒介契約を締結して販売を開始します。
買主が決まった後は、売買契約、手付金の受領、抵当権抹消の準備、残代金決済、所有権移転、引き渡しへ進みます。ローン残高が売却価格を上回る場合は、自己資金の補填や金融機関との任意売却の相談が必要になることがあります。
売却価格・相場と売却にかかる費用
主な費用は仲介手数料、印紙税、抵当権抹消登記費用、司法書士報酬、測量費、引っ越し費用などです。仲介手数料は上限が定められており、売却価格400万円超の場合は、簡易計算で「売却価格×3%+6万円」に消費税を加えた額が目安です。
5,000万円で売却した場合、仲介手数料の上限は税込171万6,000円です。実際の条件は会社ごとに異なるため、料率と追加費用を契約前に確認しましょう。
譲渡所得税などの税金
売却益が出ると、譲渡所得に対して所得税・住民税などが課税される可能性があります。譲渡所得は、売却価格から取得費、譲渡費用、利用できる特別控除を差し引いて計算します。
居住用財産には一定の要件を満たす場合、いわゆる3,000万円特別控除が利用できることがあります。財産分与として移転する場合も、譲渡する側に譲渡所得課税が生じることがあるため、売買と財産分与を混同しないことが大切です。税理士や税務署への確認が安全です。
川崎市の不動産売却相場と査定の確認方法
川崎市の不動産相場は、川崎区、中原区、幸区、高津区、宮前区、多摩区、麻生区など、駅距離や築年数、マンション・戸建ての違いで大きく変わります。市全体の平均だけでは、個別物件の売却価格を判断できません。
川崎市のエリア別相場を見るときの注意点
相場を調べるときは、国土交通省の不動産情報ライブラリなどで、近隣の成約事例を確認します。駅からの距離、専有面積、土地面積、築年数、階数、再開発の有無によって価格は変動します。
公示地価や地価公示は土地価格の参考資料であり、そのまま売却価格になるわけではありません。川崎市の「相場」を一つの数字で断定する情報には注意が必要です。
複数社査定で確認する項目
査定は2〜3社以上に依頼し、査定額だけでなく根拠を比較します。近隣成約事例、販売期間、想定する買主、リフォームの必要性、住宅ローン残高を上回る見込みがあるかを聞きましょう。
高い査定額を出した会社が最良とは限りません。離婚に伴う売却では、夫婦双方への説明、連絡方法、売却期限、仲介手数料の条件まで確認できる会社を選ぶべきです。
事例②|妻が住み続け、住宅ローンを一本化するケース

「子どものために川崎市の自宅を残したい」
次は、妻が子どもと一緒に現在の家に住み続けるケースです。
家族構成
- 夫:会社員
- 妻:会社員
- 子ども:1人
- 川崎市内の戸建て
- ペアローン
- 所有権:夫50%・妻50%
現在の状況
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 現在の不動産価格 | 4,800万円 |
| 夫のローン残高 | 1,800万円 |
| 妻のローン残高 | 1,200万円 |
| ローン合計 | 3,000万円 |
| 住宅の純資産 | 1,800万円 |
住宅の純資産は、
4,800万円-3,000万円=1,800万円
です。
夫婦の持分が50%ずつなら、夫側の純資産相当額は、
1,800万円×50%=900万円
となります。
妻が家を取得する
妻が離婚後も家に住み続けるため、夫の持分を妻側へ集約することを考えます。
ここでは、
夫の持分相当額900万円
を財産分与の調整対象として考えます。
ただし、ここで重要なのが、
「900万円を現金で妻が夫に支払えるのか」
という問題です。
妻に900万円の現金がなければ、住宅ローンの借り換え・一本化などを組み合わせて資金を用意することを検討します。
一本化のイメージ
例えば妻が新しい住宅ローンとして、
3,900万円
を借りられたとします。
この3,900万円から、
- 妻自身の既存ローン1,200万円
- 夫の既存ローン1,800万円
- 夫への持分調整900万円
を整理します。
合計は、
1,200万円+1,800万円+900万円=3,900万円
です。
これによって、
離婚前
夫
→ 住宅ローン1,800万円
妻
→ 住宅ローン1,200万円
離婚後
妻
→ 住宅所有者
→ 新しい住宅ローン3,900万円
という形を目指します。
このケースの最大のポイント
ただし、
「妻が3,900万円借りたい」
と言えば借りられるわけではありません。
金融機関が、
- 妻の年収
- 勤続年数
- 年齢
- 他の借入
- 返済負担率
- 物件の担保評価
- 離婚後の家計
などを審査します。
そのため、このケースでは、
不動産価格の査定と住宅ローン審査を早い段階で並行して進める
ことが重要です。
財産分与で注意したいこと
このケースでは、
「夫の持分900万円=必ず夫に900万円を現金で払う」
とは限りません。
夫婦間の財産分与では、住宅だけではなく、
- 預貯金
- 株式
- 自動車
- 保険
- その他の財産
- 負債
なども含めて全体を整理する必要があります。
例えば、
夫が預貯金300万円を取得し、妻がその分を考慮したうえで住宅を取得する、といった調整も考えられます。
法務省の資料でも、財産分与については、一方が不動産を取得して他方へ代償金を支払うなど、複数の分与方法が考えられるとされています。
このケースが向いている人
「子どものために現在の家に住み続けたい」
「離婚後、一人で住宅ローンを返済できる見込みがある」
という人に向いています。
事例③|夫婦間売買で夫の持分を妻が買い取るケース

「家を残したい。でも財産分与もきちんと整理したい」
3つ目は、夫婦間売買を利用するケースです。
家族構成
- 夫:会社員
- 妻:会社員
- 子ども:2人
- 川崎市内のマンション
- ペアローン
- 夫50%・妻50%の共有
現在の不動産
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| マンション時価 | 6,000万円 |
| 夫ローン残高 | 2,300万円 |
| 妻ローン残高 | 1,700万円 |
| ローン合計 | 4,000万円 |
| 純資産 | 2,000万円 |
夫婦それぞれの純資産
夫婦の持分が50%ずつなら、
2,000万円×50%=1,000万円
です。
つまり、単純化すると、
- 夫の持分相当:1,000万円
- 妻の持分相当:1,000万円
となります。
妻が夫の持分を購入する
夫婦間売買によって、
夫の50%持分を妻が買い取る
という方法を検討します。
例えば、夫の持分を1,000万円と評価した場合、
妻 → 夫:1,000万円
という売買代金を設定します。
妻は現在の自分の持分50%に加えて夫の50%を取得し、
離婚前
夫50%
妻50%
↓
夫婦間売買後
妻100%
という所有関係を目指します。
では、1,000万円をどうするのか?
ここが夫婦間売買の重要なポイントです。
妻が1,000万円を現金で持っていれば問題は比較的単純ですが、現金がなければ資金調達が必要です。
例えば、新しい住宅ローンなどを利用して、
夫の既存ローンの整理+妻の既存ローンの整理+夫の持分取得
を一体的に考えます。
実際の融資可否や条件は金融機関によって異なります。
また、住宅ローンが残っている状態で所有権を移転する場合には、金融機関への事前相談が重要です。住宅金融支援機構も、離婚等の事情がある場合には返済中の金融機関へ申し出るよう案内しています。
夫婦間売買と財産分与を組み合わせる
ここで重要なのが、
「夫婦間売買」と「財産分与」をどう整理するか
です。
例えば、夫婦にその他の共有財産として、
預貯金1,000万円
があったとします。
住宅の純資産が2,000万円、預貯金が1,000万円なら、
夫婦共有財産合計=3,000万円
となります。
原則的な折半を前提に合意するなら、
夫1,500万円
妻1,500万円
という考え方が一つの出発点になります。
そのうえで、
- 妻が住宅を取得
- 夫が住宅持分の売買代金を受け取る
- 預貯金を夫婦で分ける
などを組み合わせ、最終的な取得額を調整します。
つまり、
「家を売るか、売らないか」だけではなく、住宅・住宅ローン・預貯金などを全部まとめて財産分与を設計する
ことが重要です。

3つの解決事例を比較すると
| 項目 | ①売却 | ②ローン一本化 | ③夫婦間売買 |
|---|---|---|---|
| 家に住み続ける | × | ○ | ○ |
| ペアローン解消 | ○ | ○ | ○ |
| 元夫婦の関係整理 | ◎ | ◎ | ◎ |
| 子どもの居住環境維持 | △ | ◎ | ◎ |
| 財産分与との調整 | ○ | ◎ | ◎ |
| 住宅ローン審査 | 原則不要 | 必要 | 必要となる場合あり |
| 金融機関との調整 | 必要 | 非常に重要 | 非常に重要 |
| 手続きの難易度 | 中 | 高 | 高 |
| 向いているケース | 家を手放せる | 一方が返済可能 | 家を残しつつ持分整理 |
最も重要なのは「住宅の時価-住宅ローン残高」
ペアローン離婚では、最初にこの数字を計算することをおすすめします。
例えば、
住宅時価5,000万円
住宅ローン残高3,500万円
なら、
純資産=1,500万円
です。
逆に、
住宅時価3,000万円
住宅ローン残高3,500万円
なら、
▲500万円
となります。
この場合は、いわゆるオーバーローンです。
「家を夫婦のどちらかが取得すれば、財産としてプラスになる」とは限りません。
むしろ、
住宅ローンという負債を誰がどのように負担するのか
が重要になります。
売却・一本化・夫婦間売買を比較

| 方法 | 家に住み続ける | ローン整理 | 離婚後の関係 | 難易度 |
|---|---|---|---|---|
| 第三者へ売却 | × | ◎ | ◎ | 中 |
| 住宅ローン一本化 | ◎ | ◎ | ◎ | 高 |
| 夫婦間売買 | ◎ | ◎ | ◎ | 高 |
| 共有のまま | ◎ | △ | △ | 低〜中 |
ポイント
「家を手放してもよい」なら売却。
「家に住み続けたい」なら一本化または夫婦間売買。
という考え方が基本になります。
夫婦間売買が向いているケース
特に次のような方は、夫婦間売買を検討する価値があります。
ケース1
子どもの生活環境を変えたくない
現在の家に住み続けることで、学校や友人関係などの生活環境を維持できます。
ケース2
住宅ローンを一人にまとめたい
夫婦双方が住宅ローンを抱え続けるのではなく、どちらか一方に住宅とローンを集約する方法です。
ケース3
現在の住宅に十分な資産価値がある
住宅価格と住宅ローン残高の差額が大きければ、財産分与との調整もしやすくなります。
ケース4
離婚後も元夫婦の経済関係を残したくない
共有名義・ペアローンを解消し、一方に所有権と住宅ローンを集約できれば、将来的なトラブルを減らせます。
夫婦間売買が難しいケース
一方で、誰でも夫婦間売買を利用できるわけではありません。
特に問題となるのが、
「買主側に住宅ローンを組めるだけの返済能力があるか」
です。
例えば、
- 年収が低い
- 勤続年数が短い
- 他の借入が多い
- 信用情報に問題がある
- 物件価格に対して借入額が大きすぎる
- 離婚後の養育費負担が大きい
などの場合、融資が難しくなる可能性があります。
したがって、
「夫婦間売買をしたい」
と考える前に、
①住宅の現在価格
②住宅ローン残高
③夫婦それぞれのローン残高
④年収
⑤勤務状況
⑥離婚後の収支
を整理することが重要です。
川崎市でペアローン離婚をするときの進め方
おすすめしたいのは、次の順番です。
STEP1 住宅ローン残高を確認
夫・妻それぞれについて、
- 借入残高
- 金利
- 毎月返済額
- 残存期間
- 金融機関
を確認します。
STEP2 不動産価格を調べる
次に、現在の住宅がいくらで売れるのかを確認します。
ここで重要なのは、
購入価格ではなく「現在の市場価格」
です。
STEP3 住宅の純資産を計算
例えば、
住宅価格4,500万円
住宅ローン残高3,500万円
なら、
4,500万円-3,500万円=1,000万円
が大まかな純資産となります。
ただし、実際の財産分与では、購入時の資金負担、持分、ローン返済、その他の財産なども考慮する必要があります。
STEP4 離婚後に誰が住むのか決める
ここを先に決めます。
夫が住む
→ 夫への一本化・夫婦間売買を検討
妻が住む
→ 妻への一本化・夫婦間売買を検討
どちらも住まない
→ 第三者への売却を検討
STEP5 金融機関へ相談
ここで、
「名義変更できますか?」
だけではなく、
「離婚に伴い、現在のペアローンを一方の単独ローンへ整理したい」
と具体的に相談することが重要です。
STEP6 必要なら弁護士・司法書士・不動産会社へ相談
離婚に伴う財産分与や契約内容については弁護士、所有権移転登記などについては司法書士、不動産価格や売買については不動産会社など、必要に応じて専門家を組み合わせます。
川崎市でも、離婚に伴う親権、養育費、財産分与、慰謝料などについて弁護士による法律相談が案内されています。
慰謝料・養育費など離婚条件もまとめて整理する
家の財産分与だけで離婚条件を決めると、後から養育費や慰謝料をめぐる問題が残ります。離婚時は、財産、子ども、生活費をまとめて整理することが必要です。
財産分与と慰謝料の違い
財産分与は、婚姻中に形成した財産を清算する制度です。慰謝料は、不貞行為や暴力など、違法な行為によって精神的苦痛を受けた場合の損害賠償です。
家を妻が取得することが、慰謝料の支払いを兼ねるのか、財産分与の一部なのかは明確に記載してください。区別が曖昧だと、税務や後日の請求で争いになりやすくなります。
家に住み続ける場合の養育費との調整
妻が家に住み続ける場合、夫が住宅ローンを負担する代わりに養育費を減額するなどの調整が検討されることがあります。
ただし、住宅ローンの支払いと養育費は本来別の問題です。子どもの生活費を確保できる内容か、将来ローンが完済された後も公平かを確認してください。
離婚協議書に記載すべき事項
家については、所有者、持分、売却期限、売却価格の決め方、ローン返済者、税金・修繕費の負担、相手が協力しない場合の対応を記載します。
養育費は金額、支払日、期間、進学時の費用、収入変動時の協議方法を明記します。慰謝料や年金分割、清算条項も含め、抜け漏れを防ぎましょう。
川崎市で離婚・財産分与を相談できる公的窓口
川崎市で相談する際は、行政の一般相談、法テラス、弁護士会の法律相談を使い分けます。所在地や受付時間は変更されるため、必ず各公式サイトで最新情報を確認してください。
川崎市の各区役所・市の相談窓口
川崎市や各区役所では、法律相談、女性相談、家庭生活に関する相談が案内されています。対象者や予約方法は区によって異なる場合があるため、川崎市公式サイトまたは各区役所へ確認します。
法テラス神奈川の無料法律相談
収入・資産などの条件を満たす場合、法テラスで無料法律相談を利用できる可能性があります。弁護士費用の立替制度が利用できる場合もあります。
制度の対象、相談時間、予約方法は法テラス神奈川の公式情報で確認してください。
神奈川県弁護士会の法律相談
神奈川県弁護士会では、離婚、財産分与、不動産などの法律相談を案内しています。相談料や予約方法は窓口ごとに異なります。
相談前に受付時間・対象・予約方法を確認
窓口、主な対象、費用、予約方法は次のように整理できます。
川崎市・各区役所:市民向けの一般相談。相談料や予約方法は公式サイトで確認。
法テラス神奈川:収入・資産要件を満たす人向け。無料相談や費用立替制度あり。
神奈川県弁護士会:法律問題を弁護士へ相談。相談料・時間・予約方法は窓口ごとに確認。
川崎市で離婚・財産分与に強い弁護士へ相談するメリット
離婚時の家は、不動産、住宅ローン、税金、財産分与、子どもの生活が絡む複合問題です。不動産会社だけでは離婚条件全体を整理できず、弁護士だけでは査定価格の判断が難しいこともあります。
不動産評価・住宅ローン・名義を一体的に確認できる
弁護士に相談すると、家の価値、ローン残高、共有持分、預貯金などを整理し、財産分与の全体像を作れます。
妻が住み続ける場合も、夫の債務をどう外すか、代償金をどう調整するか、金融機関へ何を確認するかを具体化できます。早い段階の相談ほど選択肢は広がります。
相手との交渉や離婚協議書の作成を任せられる
相手と直接話すと感情的になりやすく、家の売却価格やローン負担の話が進まないことがあります。弁護士に依頼すれば、代理交渉や財産資料の開示請求、協議書の作成を任せられます。
相手が家の売却に応じない、ローンを滞納している、財産を隠しているといった場合も、法的手段を含めて対応を検討できます。
弁護士費用と無料相談の確認方法
無料相談の有無、相談時間、初回相談後の費用、着手金、報酬金、実費、住宅問題を扱う場合の追加費用を確認してください。
無料相談は、解決まで無料という意味ではありません。相談前に「家の財産分与とペアローン離婚について相談したい」と伝え、必要書類と費用体系を聞いておくと安心です。
相談前に準備する資料
住宅ローン返済予定表、登記事項証明書、固定資産税通知書、不動産売買契約書、査定書、預貯金や保険の資料、離婚後の収入・支出が分かる資料を用意します。
時系列メモも有効です。購入時期、頭金の出所、ローン返済者、別居時期、相手との合意内容を整理しておくと、限られた相談時間を有効に使えます。コピーら始めてみてください。
住宅ローン審査で重要になるポイント
「妻が家に住み続けたい」という場合、最大の壁になることが多いのが住宅ローンです。
例えば、
現在
夫:年収600万円
妻:年収350万円
↓
離婚後
妻:年収350万円
となれば、現在夫婦2人の収入を前提としていた借入を、妻一人の収入で返済できるかが問題になります。
したがって、
現在の返済額ではなく、離婚後の収入・支出で返済可能か
を確認する必要があります。

離婚前に確認すべきチェックポイント
ペアローンの離婚では、次の項目を確認してから話を進めることをおすすめします。
- 住宅の現在価格
- 夫の住宅ローン残高
- 妻の住宅ローン残高
- 夫婦それぞれの所有持分
- 住宅ローンの金融機関
- 現在の毎月返済額
- 離婚後に誰が住むのか
- 離婚後の年収
- 養育費
- その他の借入
- 固定資産税
- 管理費・修繕積立金
- 売却した場合の手取り額
- 一本化した場合の借入可能額
- 夫婦間売買の場合の売買価格
川崎市のペアローン離婚でよくある質問
Q1.ペアローンで離婚したら家は売却しなければいけませんか?
必ずしも売却する必要はありません。
夫婦のどちらか一方が住宅を取得し、住宅ローンを整理できるのであれば、離婚後も住み続ける方法があります。
代表的なのが、住宅ローンの一本化や夫婦間売買です。
ただし、金融機関の承諾・審査が必要になる場合があります。
Q2.妻が家に住み続けて夫だけローンから外れることはできますか?
可能性はありますが、夫婦間の合意だけでは決まりません。
住宅ローンの債務者から夫を外すには、金融機関の承諾が必要です。
妻一人で借り換えできるだけの返済能力があるかが重要になります。
Q3.夫婦間売買なら住宅ローンを組めますか?
金融機関によって取り扱いや審査条件が異なります。
また、夫婦間売買では通常の住宅購入とは異なる事情があるため、離婚・財産分与・既存ローン・売買価格を含めて金融機関へ事前に確認することが重要です。
Q4.夫婦間売買と財産分与は別の問題ですか?
完全に別々とは限りません。
離婚に伴う不動産の整理では、
売買+財産分与
を組み合わせて考えるケースがあります。
ただし、実際の契約方法や金額によって税務・法務上の問題が変わるため、専門家への確認が必要です。
Q5.離婚届を先に出してから住宅ローンを考えてもいいですか?
住宅ローンや不動産の整理が必要な場合は、できるだけ離婚届を出す前から準備することをおすすめします。
離婚後に元配偶者の協力が必要になると、手続きが難しくなる可能性があるためです。
なお、川崎市では協議離婚の届出期間は任意と案内されています。

まとめ|川崎市のペアローン離婚は「売るしかない」とは限らない
川崎市でペアローンを組んでいる夫婦が離婚する場合、選択肢は一つではありません。
大きく分けると、
①第三者へ売却する
②住宅ローンを一本化する
③夫婦間売買によって所有権・住宅ローンを整理する
④共有状態を維持する
という方法があります。
中でも、
「子どものために今の家に住み続けたい」
「でも、離婚後まで元夫とペアローンを続けたくない」
という場合には、
「住宅ローンの一本化」
または
「夫婦間売買」
を検討する価値があります。
ただし、最も重要なのは、先に「できる・できない」を決めつけないことです。
まず、
現在の不動産価格
↓
住宅ローン残高
↓
夫婦それぞれの持分
↓
離婚後の収入
↓
必要な借入額
↓
金融機関の審査
という順番で整理してください。
そして、夫婦間だけで判断せず、金融機関・コーラルなどの不動産会社・弁護士・司法書士など、必要な専門家に早い段階で相談することが重要です。
川崎市で離婚に伴う住宅問題を抱えている方は、まず「家を売るしかない」と考えるのではなく、
「売却」「一本化」「夫婦間売買」の3つを比較して、自分たちに最も合った方法を探す
ことから始めてみてください。





