離婚後も夫名義の持ち家に妻がそのまま住むには、財産分与による名義変更・住宅ローンの借り換え・賃貸借契約、リースバックの4つの方法があります。連帯債務の場合は解消が必須です。いづれのケースでも金融機関の承諾と審査が必要になると考えておいた方がいいでしょう。
ここでは親族間売買上級アドバイザー兼宅地建物取引士の井上朝陽が解説します。
子どもの生活を守るために知っておきたい住宅ローン・財産分与・夫婦間売買の全知識
離婚後に夫名義の家やマンションに妻が住み続けるかを考えるとき、最初に見るべきなのは感情ではなく条件です。

名義人が元夫の家でも、住宅ローンや名義、居住権の整理ができれば、離婚後も持ち家に妻が住み続ける道はあります。逆に、条件が合わなければ維持はかなり苦しいです。
ここでの判断材料は、名義、ローン残高、現在の家の価値の3つです。
名義とは「誰の所有か」。婚姻時に取得した家なのだから共有者として共有持分はどうなるのか
居住権とは「誰が住み続ける権利を持つか」。
ローン残高とは「今いくら返済が残っているか」です。
この3点が見えれば、自分のケースが残せる家なのか、売るべき家なのかがかなりはっきりします。
離婚時の住まいは後回しにしない方がいい。ここで迷うのは自然ですが、放置は一番まずいです。
離婚したら家は必ず売らなければならないのか?|売却が必要な条件と住み続ける条件
離婚したら必ず家を売る、というのはよくある誤解です。
実際には、離婚後も持ち家に妻が住み続ける選択肢も十分あります。離婚後も持ち家に妻が住み続けることが可能かどうかは、ローンと名義と収入で決まります。

売却が必須になりやすいのは、次のような場面です。
・ローン返済を単独で続けられない
・銀行が名義変更や借り換えを認めない
・オーバーローンで清算が難しい
・妻名義、夫名義双方持ち分所有(共有名義)のまま話し合いが止まっている
一方で、離婚後も持ち家に妻が住み続けやすいのは、単独で返済できる、財産分与の精算ができる、金融機関の同意が取れるケースです。迷ったら判断フローを使うのが早いです。感覚で決めると外します。
家は重い資産ですから、ここは慎重なくらいでちょうどいいです。
法的な居住権(占有・居住権・仮処分等)の解説

居住権は、思っているほど自動では守られません。
占有は「実際に住んでいる状態」、居住権は「住む権利」、仮処分は「一時的に権利を守るための裁判手続き」です。
離婚後の居住は、感情ではなく法的手当てが必要です。
使用貸借のように、夫婦の合意で無償で住める場合もありますが、合意が崩れると弱いです。住み続けたいなら、離婚協議書、公正証書、場合によっては仮処分を検討します。子どもがいるときは、居住継続の必要性を具体的に示すと整理しやすいです。
「住んでいるから大丈夫」は危険です。権利の根拠を持っておくこと、ここが大事です。
住み続けるメリット・デメリットと意思決定の観点
離婚後も持ち家に妻が住み続ける最大のメリットは、生活を崩しにくいことです。
子どもの学区、通勤、地域のつながりを保ちやすい。心理的にも、環境が変わらない安心があります。これはかなり大きいです。
一方で、デメリットは、ローン、固定資産税、修繕費、将来の売却リスクを抱え続けることです。名義が複雑なまま残ると、後で揉めます。住めるかどうかだけでなく、住み続けられるかどうかを見ないといけません。
意思決定の観点は、費用、安全性、子どもの福祉です。
家計が回るか、権利関係が整理できるか、子どもに無理がないか。この3点で見ると判断しやすいです。感情を否定する必要はありません。ただ、最後は現実です。
離婚時にまず確認すべき3つのポイント(名義・ローン・価値)
離婚時は、名義、ローン、価値を順番に確認します。
ここを飛ばして財産分与に入ると、あとで揉めます。実務では、最初に書類を集める人が強いです。

① 名義
確認方法は登記事項証明書の取得です。法務局かオンライン請求で見られます。
必要書類は本人確認書類、物件情報です。目安は、所有者が単独か共有か、婚姻中に取得した家かどうか。共有なら早めに整理が必要です。名義だけで諦める必要はありませんが、名義変更は話し合いだけでは終わりません。
② ローン
確認方法は住宅ローン契約書、返済予定表、残高証明書です。
必要書類は銀行の書面、通帳、年末残高証明。目安は、残債額、連帯保証、連帯債務、ペアローンの有無です。返済責任は名義変更だけでは消えません。ここは冷静に見てください。
③ 価値
確認方法は不動産会社の査定です。
必要書類は間取り、築年数、所在地、登記情報。目安は複数社査定で差が大きいかどうか。購入額ではなく今の市場価値が基準です。
私は、ここを早く押さえた人ほど交渉がスムーズだと感じます。
財産分与の原則と住宅評価のルール

2026年(令和8年)4月1日に施行された民法改正により、財産分与のルールが変更されています。
民法の改正点4つ
- 請求期間の延長:家庭裁判所に財産分与を請求できる期間が、離婚後「2年以内」から「5年以内」に伸長されました(施行前に離婚が成立した場合は従前どおり2年以内) 。
- 「2分の1ルール」の明文化:夫婦が婚姻中に協力して得た財産は、特段の事情がない限り原則として半分ずつ分けることが法律に明記されました 。
- 考慮要素の明確化:清算だけでなく、離婚後の生活の安定(扶養的要素)や収入 、寄与の程度など一切の事情を考慮して額と方法が決定されます 。
- 情報開示命令:財産分与の調停等において、家庭裁判所が相手方名義の財産開示を命じることができる制度が新設され、正当な理由なく拒否した場合は過料に処されるようになりました 。
財産分与の原則:
民法768条は、離婚時に夫婦の財産を分ける「財産分与」の権利と手続きについて定めた規定されています。詳しい制度の解説や手続きの窓口については、法務省 財産分与 ページをご参照ください。家庭裁判所での調停手続きなどについては、裁判所 財産分与請求調停 で確認できます。
財産分与の計算の流れはシンプルです。
家の時価 − ローン残高 − 売却諸費用 = 実質的な持分価値
この価値を、夫婦の持分や寄与度に応じて調整します。頭金の出所、婚姻期間、家計負担の偏りも見ます。
離婚後も持ち家に妻が住むには住宅を残すしかない、この場合は税務にも注意が必要です。
財産分与そのものは贈与と異なりますが、代償金の支払い方や名義移転の方法によっては税金の論点が出ます。
特別控除や譲渡所得の扱いも確認した方がいいです。
単純に「半分」で片づけると痛い目を見ます。
離婚時の住宅ローン完全ガイド|ローンタイプ別判断と手続き

住宅ローンは型ごとに対応が違います。離婚 家 住み続けるなら、まず契約の型を見極めることが先です。
| ローンタイプ | 何が問題になるか | 現実的な解決策 |
|---|---|---|
| 単独債務 | 名義変更や返済継続の可否 | 借り換え、財産分与、売却 |
| 連帯保証付き | 離婚後も請求が残る | 保証解除交渉、借り換え |
| 連帯債務 | 返済責任が共有のまま残る | 一本化、任意売却、合意整理 |
| ペアローン | 2本の債務が絡む | 片方の借り換え、売却、清算 |
単独債務でも、銀行が認めなければ名義変更は進みません。連帯保証や連帯債務は特に重いです。離婚したから終わり、ではありません。むしろ契約の整理が本番です。
オーバーローンとは(意味とリスク)
財産分与は、夫婦で築いた財産を分ける仕組みです。離婚時の家は、原則として時価で評価し、ローン残高を差し引いて考えます。
居住用不動産は、売却価格ベースで見るのが実務的です。

オーバーローンとは、家の売却見込み額より住宅ローン残高が多い状態です。
たとえば、家が2,000万円でしか売れないのに残債が2,500万円あるなら、売っても借金が残ります。これが厄介です。
典型的なのは、購入時から価格が下がった物件、築年数が進んだ家、諸費用を多く乗せたローンです。売れる金額だけ見ても意味がなく、手元に残る金額で判断しないと危険です。離婚の場面では、この差額がそのまま争点になります。
早期対応が重要なのは、時間がたつほど選択肢が減るからです。
返済遅延、信用情報への影響、競売リスク。ここは本当に軽く見ない方がいいです。放置は損です。
オーバーローンの場合の選択肢と実行手順
オーバーローンでも、やれることはあります。選択肢は主に、売却、任意売却、リースバック、交渉による債務整理です。
売却は、自己資金で不足分を埋められるなら最もすっきりします。
手順は査定、残債確認、売買契約、完済です。メリットは整理が早いこと。デメリットは現金が必要なことです。
任意売却は、金融機関と合意して売る方法です。
手順は、残債確認、銀行交渉、媒介契約、売却、残債返済計画。競売より条件が良いことが多いですが、信用情報への影響は避けにくいです。
リースバックは、売却後も賃貸で住む方法です。
短期的には便利ですが、家賃負担が重くなることがあります。長く住む前提には向きません。
交渉による債務整理は、返済条件の見直しです。
現実的ですが、銀行の同意がないと進みません。私は、オーバーローンは「焦って決めると負ける」分野だと思っています。
アンダーローンとは(意味と活用)
アンダーローンは、家の価値がローン残高を上回る状態です。
売ればプラスが出るので、離婚時の整理はかなりやりやすくなります。
たとえば、査定4,000万円、残債2,500万円なら、差額1,500万円が基準になります。ここから売却費用や精算額を調整します。住み続けたいなら、財産分与で取得する、借り換えて単独名義にする、という流れが現実的です。
アンダーローンは、家を残す側にとってかなり有利です。ただし、税務は別問題です。名義移転や代償金の支払いで課税関係が出ることがあります。売れるから安心、ではなく、売れる今こそ手続きが大事です。
単独名義住宅の場合の対応(債務負担別)
単独名義は単純に見えて、実は2つに分かれます。債務負担があるかないかです。
債務負担がある場合
ローンが残っているなら、離婚後にそのまま住み続けるのは簡単ではありません。
現実的には、借り換えで自分名義にする、財産分与で相手に代償金を払う、売却するの3択です。居住権があっても、返済できなければ差押えのリスクが出ます。名義だけ残しても安心ではありません。
債務負担がない場合
完済済みなら整理しやすいです。住み続けること自体は比較的可能ですが、婚姻中に形成された財産なら財産分与の対象です。
相手への清算、必要なら登記変更、公正証書化まで進めると安全です。住めるけれど、後で揉める余地は残ります。そこを潰すのが大事です。
共有名義住宅の場合の対応と名義解消方法
共有名義は、離婚後の火種になりやすいです。持分が分かれている以上、片方が勝手に売ることも、勝手に住み続けることもできません。まず解消方針を決める必要があります。
代表的な手段は、売却、名義変更、持分譲渡です。売却なら清算が明確です。名義変更は、片方が取得してローンも整理する方法です。持分譲渡は、相手の持分を買い取る形になります。
合意が得られない場合は、調停や訴訟、共有物分割請求が視野に入ります。放置して共有のまま残すのはおすすめしません。後で相続や再婚が絡むと、面倒が一気に増えます。早く片づけた方が、結局は安いです。
ペアローン離婚の出口と避けるべきNG行動
ペアローンは、離婚時にかなりこじれやすい形です。2本の債務が並んでいるため、片方だけ外すのが難しいからです。
問題点は次の通りです。
・片方の返済が止まると、全体に影響しやすい
・連帯保証が付いていることが多い
・銀行が片側だけの解除を認めにくい
・名義と返済責任がずれやすい
出口は、借り換え、売却、任意売却、分割合意です。滞納の放置は最悪です。
保証人解除も簡単ではありません。
金融機関は感情では動きません。契約と返済可能性です。
ペアローンは「離婚したら終わり」ではなく、「離婚後に本当の整理が始まる」と考えた方がいいです。
任意売却・住宅ローン滞納・競売リスクと早期対応

滞納が始まったら、時間との勝負です。放置すると、督促、期限の利益喪失、競売へと進みます。離婚時は精神的にも荒れやすいので、早期対応が本当に大事です。
フローは、まず金融機関へ相談し、返済条件変更の可否を確認します。難しいなら任意売却を検討し、弁護士や任意売却業者に同時相談します。競売が始まる前なら、まだ条件交渉の余地があります。
競売回避の実例では、滞納前に任意売却へ切り替えたことで、引っ越し時期と残債負担を抑えられたケースがあります。逆に、連絡を止めたケースは厳しいです。これは本当に差が出ます。

第2章 離婚後も持ち家に妻が住む方法|財産分与・夫婦間売買・親族間売買の比較
離婚後も持ち家に妻が住む方法は、財産分与、夫婦間売買、親族間売買の3つが軸です。どれも似て見えますが、税務も審査も違います。

| 方法 | メリット | デメリット | 税務 | 実行しやすさ |
|---|---|---|---|---|
| 財産分与 | 清算しやすい | ローン整理が別途必要 | 比較的整理しやすい | 高い |
| 夫婦間売買 | 名義が明確 | 審査が厳しい | 贈与税・譲渡税に注意 | 中 |
| 親族間売買 | 資金支援を組み込みやすい | 時価設定が難しい | 贈与課税に注意 | 中〜低 |
返済能力があるなら財産分与が素直です。名義をはっきり移したいなら夫婦間売買、審査補助が必要なら親族間売買が候補になります。結論から決めるより、使える制度を当てはめた方が失敗しません。
離婚後もマイホームに住み続ける具体的4パターン(ケース別)
離婚後も持ち家に妻が住む方法は一つではありません。状況により、取得、賃借化、親族への名義移転、リースバックを選びます。

取得して住む(費用約 60万~100万円・取り組みからおおむね 3か月)
財産分与や借り換えで自分が家を取得します。
メリットは安定性が高いこと。デメリットは返済責任を丸ごと背負うことです。手順は査定、清算額算定、合意書、借り換え、登記です。
賃借化する(費用約 月額数万円・取り組みからおおむね 1か月)
家賃を払って住み続ける方法です。
短期的に学区や生活を守りやすいですが、賃料負担が続きます。契約書の整備が必須です。
親族へ名義移転する(費用約 60万~100万円・取り組みからおおむね 2か月)
親族間売買で名義を移し、実際の居住は続けます。
審査が難しいときの補助線になりますが、時価と書面が甘いと危険です。リスクは、滞納、名義不一致、税務、将来の売却不能です。住めれば終わりではない。そこが難しいところです。
リースバックを使う(費用約 60万~100万円・取り組みからおおむね 2か月)
リースバックは、家を売却したあとに賃貸として住み続ける方法です。
離婚時でも、住宅ローンの整理が必要な場面で候補になります。持ち家を手放しても同じ家に住めるので、子どもの生活を大きく変えずに済むのが利点です。
メリットは、売却資金で債務整理しやすいこと、引っ越しを急がなくてよいことです。デメリットは、家賃が高くなりやすいこと、将来の買い戻しが難しいことです。業者選びでは、買い取り価格だけでなく、賃料、契約年数、更新条件を必ず見ます。
実行手順は、査定、複数業者比較、条件交渉、売買契約、賃貸契約です。ひとつの業者だけで決めるのは危ないです。住み続けたい人ほど、条件を細かく見た方がいいです。
家を残す方法① 財産分与による取得(手続きと注意点)
財産分与で家を取得するなら、まず家の時価を出します。査定額からローン残高を引き、必要なら売却諸費用も見ます。そのうえで、相手に支払う代償金を決めます。
調整例としては、慰謝料を含めて清算額をまとめる、預貯金と相殺する、家の取得額を下げる、といった方法があります。現場では、全部を別々に動かすより一緒に整理した方が早いです。
公正証書に残すべき条項は、居住者、返済負担、登記の時期、代償金の支払方法、滞納時の対応、売却時の手順です。口約束は危ないです。私はこの場面では、書面化を強く勧めます。後から言った言わないが一番高くつきます。
家を残す方法② 夫婦間売買の実務と税務上のポイント
夫婦間売買は、あくまで売買です。実務フローは、査定、価格設定、契約書作成、ローン相談、決済、登記です。住宅ローン対応では、金融機関が親族間取引に近い目で見ます。
税務上のポイントは、安すぎる価格だと贈与認定のリスクがあること、売主に譲渡所得税が出る場合があることです。登録免許税、不動産取得税も見落とせません。時価に近い価格が基本です。
夫婦間売買は、名義をはっきりさせたい人には向きます。ただ、手続きは重めです。気軽には進みません。そこを理解しておくと、無駄に止まりにくいです。
夫婦間売買が活用される典型ケースと要件
典型例は、妻が住み続けたいが夫が退去したい、親権者が家を残したい、共有を解消したい、というケースです。離婚前後の整理に使われます。
要件は、時価に近い売買価格、資金の出どころの明確化、銀行の審査通過、登記手続きの完了です。資金が不自然だと止まります。親族だから大目に見てもらえる、という発想は危険です。むしろ厳しく見られると思っておいた方がいいです。
夫婦間売買の注意点(住宅ローン・評価・税金)
Q. 住宅ローンの名義変更はできますか?
A. できる場合もありますが、銀行承認が前提です。単独返済力が重要です。
Q. 低い価格で売ってもいいですか?
A. 危険です。贈与扱いになるおそれがあります。
Q. 税金は何がかかりますか?
A. 譲渡所得税、登録免許税、不動産取得税、場合によって贈与税です。
Q. 夫婦間売買は銀行が嫌がりますか?
A. 嫌がるというより慎重です。書類不足だと通りません。
実務では、事前査定、税理士相談、銀行打診が先です。契約書だけ作って止まるのが一番もったいないです。
親族間売買という選択肢とその注意点
親族間売買は、夫婦間売買が難しいときの補助策です。親や兄弟姉妹が買主になり、実際の居住は続ける形があり得ます。ただし、やり方を間違えると贈与課税やトラブルに直結します。
よくある問題は、市場価格との乖離、資金の流れが不透明、口約束だけで進めることです。これでは弱いです。回避策は、第三者査定を取る、売買契約を作る、振込記録を残す、登記をきちんと動かすことです。
親族間売買は便利ですが、雑にやると危ない。かなり本音で言うと、ここは慎重すぎるくらいがちょうどいいです。
妻が住み続けるときの手続き詳細(名義変更・支払い負担・合意書)
妻が夫名義の家に住み続けるなら、最初に必要なのは名義変更の可否確認です。次に、誰が返済するか、誰が住むか、誰が税金を負担するかを決めます。
合意書には、次の文言が実務で重要です。
・妻は当該建物に継続居住する
・住宅ローン返済は誰が負担するか
・名義変更または借り換えの期限
・滞納時の対応
・退去条件
・売却する場合の事前協議
離婚協議書だけでは弱い場面もあるので、公正証書化できるならなお安心です。支払い負担が曖昧だと、住み続ける権利も揺らぎます。ここは細かく決めた方が後で楽です。
家賃として夫に支払う運用と契約書サンプル(居住整理)

離婚後も持ち家に妻が住むには、離婚後に妻がそのまま住み、夫へ家賃を払う形は居住整理として使われます。学区や生活基盤を守りたいときには現実的です。
法的留意点は、賃料なのか財産分与の一部なのかを曖昧にしないことです。税務上も見え方が変わります。振込記録を残し、手渡しは避けた方が安全です。
契約書には、賃料額、支払日、契約期間、更新条件、解約条件、修繕負担、固定資産税の扱いを入れます。更新時の再合意も必要です。文面は短くてもいいですが、抜けは危険です。居住を守るための契約なのに、曖昧だと逆に弱くなります。
契約書の入れるべき項目
・誰が住むか
・誰に支払うか
・いくら払うか
・いつまで続けるか
・更新するか
・修繕費は誰が負担するか
・固定資産税をどうするか
・滞納時の対応
トラブル回避策
振込記録を残す、領収書を保存する、更新時に書面化する、実態と契約を一致させる。これだけでかなり違います。口約束は危ないです。
連帯保証人・連帯債務者の場合のリスクと対策
連帯保証人や連帯債務者になっていると、離婚しても責任は消えません。かなり重いです。主債務者が払えなければ、保証人に請求が来ます。通知が来た時には、もう状況が進んでいることが多いです。
対策は、ローン契約の確認、銀行への相談、解除の可否確認、借り換えや債務引受の検討です。代位弁済が起きる前に動くのが基本です。必要書類は、契約書、残高証明、収入証明、離婚協議書です。
解除は簡単ではありません。銀行の同意が要ります。交渉では、誰が住むのか、返済はどう続くのかを具体的に示すのが大事です。感情論では通りません。契約と返済計画です。
子どもの転校を避けるために考えるべきこと
子どもの転校回避は、離婚後も持ち家に妻が住み続ける理由としてかなり強いです。学校、友人、生活リズムが変わる負担は大きいからです。
優先順位は次の通りです。
・まず居住継続の可否を確認する
・次に家計負担とのバランスを見る
・短期的には賃借化や一時居住で時間を稼ぐ
・必要なら親族支援を入れる
転校回避は大事ですが、家計が破綻すると続きません。守りたい気持ちはわかります。けれど無理に維持すると後で崩れます。時間を買う、くらいの発想が現実的です。
子どもへの影響と生活設計(優先順位と配慮)

住み慣れた家は、子どもにとって安心の土台です。離婚で家庭の空気が変わるだけでも負担があります。そこに転校まで重なると、心理的な揺れは大きくなります。
生活設計で優先すべきは、教育の継続、経済的安定、心理面の安定です。
ケース別に言えば、
収入が安定するなら取得して住む、
資金が厳しいなら短期賃借化、
親族の支援があるなら名義移転も検討、
という順です。
私は、子どもがいる家庭では家の継続価値はかなり高いと思っています。ただし、維持コストが大きすぎるなら本末転倒です。守る対象は家そのものではなく、生活です。
住宅ローンを引き継ぐ方法(借り換え・債務引受等)
ローンを引き継ぐには、借り換え、債務引受、新規借入れの3つが中心です。どれも銀行審査が前提です。
借り換えは、新しいローンで一本化する方法です。収入証明、残高証明、査定書が必要です。年収目安は、返済比率が無理なく収まることが条件です。安定収入が強いです。
債務引受は、既存ローンを引き継ぐ方法です。銀行が認めないと成立しません。話し合いだけでは足りません。
新規借入れは、別の融資で精算する形です。自由度はありますが、審査は厳しめです。いずれも、連帯保証が残るか確認が必要です。名義だけ先に動かすのは危険です。
家庭内別居の位置づけと財産分与リスク
家庭内別居は、同居していても実質的に夫婦関係が破綻している状態です。
離婚前の事実関係としては意味がありますが、証拠が弱くなりやすいのが難点です。
財産分与や親権、婚姻費用の判断では、別居開始時期が重要になることがあります。家計が分かれている、寝室を分けている、生活実態が別なら、その記録を残しましょう。
保存しておきたい証拠は、
通帳の動き、
生活費の振込記録、
メモ、写真、LINE履歴
です。
静かに効く材料です。家庭内別居は、軽い状態ではありません。後で説明できるようにしておくと強いです。
弁護士へ依頼するべきケースと相談タイミング

弁護士は、揉めてから呼ぶ人が多いですが、早い方が得です。
特に、共有名義、高額不動産、ペアローン、財産隠しが疑われる場合は、初動で入れた方が安全です。
初回相談で準備すべき資料は、登記事項証明書、ローン契約書、残高証明、査定書、通帳、源泉徴収票、確定申告書、離婚協議メモです。資料が多いほど相談の質が上がります。
弁護士に期待できるのは、交渉整理、必要書類の回収、財産分与の方針決定です。法律だけでなく、不動産実務の交通整理もしてくれます。ひとりで抱えるには重いテーマです。
離婚時の弁護士費用の目安と費用を抑える方法
弁護士費用は、相談、調停、訴訟で変わります。
目安は、法律相談が0円〜1万円前後、着手金が20万円〜50万円前後、報酬金が20万円〜80万円前後です。調停や訴訟に進むほど上がります。
不動産が絡むと、さらに増えることがあります。
総額では40万円〜100万円程度を見ておくと大きく外しにくいです。法テラスや無料相談の活用も有効です。条件が合えば費用を抑えられます。
費用を抑えるコツは、早期相談、資料整理、相談前の論点整理です。問題がこじれるほど高くつきます。これはかなり実感としてあります。早い人ほど安く済みます。
離婚後も持ち家に妻が住むための最も重要なこと(公正証書・合意固定)
離婚後も持ち家に妻が住むには、口約束は避けた方がいいです。合意を固定する仕組みが必要です。公正証書はかなり有効で、誰が住むか、誰が返済するか、いつ登記を動かすかまで入れられます。
盛り込むべき条項は、支払い方法、振込先、支払日、担保、違反時のペナルティ、退去条件、売却時の協議、買戻し条件です。条項が具体的なほど強いです。
内容証明で経緯を残す方法もあります。登記で権利を固定するのも大事です。離婚後も持ち家に妻が住むには、ここが最優先です。書面は地味ですが、あとで効きます。
第3章 2026年民法改正と離婚時の住宅問題の影響

2026年の民法改正は、離婚時の住宅整理にも影響します。特に財産分与の請求期間や情報開示の実務は見逃せません。
改正の影響は次の通りです。
・財産分与の整理を早く進める必要がある
・財産の開示が進みやすくなる
・住宅ローン残高や不動産評価を把握しやすくなる
・資料を早く集めた側が有利になりやすい
改正後は、初期相談で資料をそろえる重要性が上がります。家の処理は後回しにできません。準備の差が結果に出ます。かなり現実的な変化です。
離婚後も持ち家に妻が住む実際の解決事例5選(要点と学べる教訓)

事例① 妻と子どもが住み続けたケース
状況は、夫名義の家にローンが残っていたケースです。取った対策は、査定を取り、財産分与額を決め、代償金を支払って取得したこと。結果は、子どもが転校せずに住み続けられました。学べる教訓は、早い査定が鍵だということです。
事例② ペアローンを整理したケース
状況は、夫婦でペアローンを組んでいた家庭です。取った対策は、借り換えで妻単独に一本化したこと。結果は、返済責任を整理できました。教訓は、ペアローンは離婚前から出口を考えるべきだという点です。
事例③ オーバーローンを任意売却したケース
状況は、売却しても借金が残る家でした。取った対策は、金融機関と交渉して任意売却に切り替えたこと。結果は、競売を避けられました。教訓は、放置より交渉の方がまだ道があることです。
事例④ 親族間売買を使ったケース
状況は、単独審査が厳しかった家庭です。取った対策は、親族を買主にした売買でした。結果は、学区を維持できました。教訓は、親族支援は強いが、書面が甘いと危ないことです。
事例⑤ 共有名義を解消したケース
状況は、共有名義のまま残そうとしていたケースです。取った対策は、一方が持分を買い取ったこと。結果は、将来の揉め事を防げました。教訓は、共有名義は“とりあえず残す”に向かないことです。
離婚後も持ち家に妻が住むには?へのよくある質問(FAQ)
Q1. 離婚したら家は必ず売らなければなりませんか?
いいえ。財産分与、夫婦間売買、親族間売買、居住継続の方法があります。
Q2. 夫名義の家に妻が住み続けることはできますか?
可能な場合があります。ローン、名義、合意書、銀行の承認がそろえば現実的です。
Q3. 居住権は自動で守られますか?
自動ではありません。離婚協議書や公正証書で明確にしておく必要があります。
Q4. 住宅ローンが残っていても住み続けられますか?
返済能力と金融機関の同意があれば可能です。無理なら売却や任意売却を検討します。
Q5. 名義変更だけで大丈夫ですか?
大丈夫ではありません。ローン承継や借り換えが別途必要になることがあります。
Q6. ペアローンは離婚で自動解消されますか?
されません。銀行との調整が必要です。
Q7. オーバーローンでも財産分与できますか?
できますが、残債処理を含めて設計が必要です。
Q8. 親族間売買は違法ですか?
違法ではありません。ただし時価から外れると贈与課税の問題が出ます。
Q9. 離婚後も共有名義のままで大丈夫ですか?
可能でもおすすめしません。後で揉めやすいです。
Q10. まず何から始めればいいですか?
登記、ローン残高、査定の3つです。ここからで十分です。
Q11. リースバックは離婚後の住み続けに使えますか?
使えます。短期的には有効ですが、家賃負担と契約条件をよく確認してください。
まとめ|離婚で家を失わないためのチェックリスト
離婚時の家は、資産であり生活基盤でもあります。離婚後も持ち家に妻が住むには、名義、ローン、価値の3点で決まります。感情だけで動くと後悔しやすいです。

直近対応
・登記事項証明書を取る
・ローン残高を確認する
・査定を複数社で取る
中期対応
・財産分与の方針を決める
・借り換えや売却の可否を確認する
・公正証書や離婚協議書を整える
相談先
・弁護士「財産分与の申立期限は離婚成立後5年以内」
・司法書士「名義変更にかかる費用は登録免許税2万円+司法書士報酬5〜8万円」
・不動産会社「多くの不動産会社の仲介手数料 売買価格×3%+消費税」
・金融機関「繰り上げ返済手数料+繰上返済する元本の約1〜3%」
必要なら、チェックリストをまとめた短いPDF案内も用意すると便利です。最初の一歩は、書類を集めること。それがいちばん確実です。
【無料相談のご案内】(相談窓口と相談前の準備)
離婚後も持ち家に妻が住むには、ケースごとに答えが違います。
今の家に住み続けたい、子どもの転校を避けたい、夫婦間売買が可能か知りたい、そんな方は早めにご相談ください。初回無料の範囲では、現状整理、進め方の方向づけ、必要資料の確認が中心です。
相談前に準備したい資料は、登記事項証明書、住宅ローン契約書、残高証明、査定書、収入証明、離婚協議メモです。揃っていなくても相談はできますが、あるほど話は早いです。相談の流れは、現状確認、論点整理、選択肢の比較、次の行動の提案です。ひとりで抱え込むより、早く動いた方がいいです。
この記事の執筆者、監修者
この記事の執筆者
井上朝陽 宅地建物取引士、住宅ローン設計士、親族間売買上級アドバイザー
1. 離婚不動産コンサルティング実績200件以上 2. 任意売却実績100件以上
専修大学卒業後コーラル株式会社へ。不動産売買業務従事13年以上、離婚不動産コンサルティング10年の間、年間相談件数300件以上、総計売買数700件以上を担当し成約する。コーラル大阪店開設にあたり店長として赴任、大阪圏の売買経験も積む。現在は本店に戻りコーラル勤務当初から大学で学んできたマーケテイングの知識を生かし、コーラルのWEBマーケティング統括責任者も務める。
住宅ローン設計士として不動産の親族間売買時の住宅ローンアドバイス実績はすでに300件以上熟し、金融機関からの信頼も厚い。
親族間で不動産取引するにあたり住宅ローン取り付けをどうしたらいいのかをYouTube動画で多数解説する活動も行う。
弁護士、司法書士、行政書士などの士業の立ち上げた親族間の問題を解決するための組織、一般社団法人結い円滑支援機構の立ち上げにも参画し現在は幹事も務める。
この記事の監修者
石井雄二 宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー、親族間売買上級アドバイザー
1.離婚に伴う不動産問題の解決事例250件以上 2. 任意売却実績100件以上
不動産業界歴25年以上、離婚不動産コンサルティング10年以上の間、さまざまな不動産関連の仕事に従事する中で宅地建物取引士兼ファイナンシャルプランナーとして年間相談件数1500名以上の方に住宅ローンのアドバイスを行う。コーラルではとても取得が難しいといわれる親族間売買上級アドバイザーとして月間10件以上、総計500名以上に住宅ローンアドバイスと取り付けを行う。金融知識、相続、住宅ローン問題等幅広い知識と業務経験を武器に、より多くのお客様の「人生にお役に立つ不動産運用の専門家を目指したい」との思いからコーラル株式会社に参画。
親族間で不動産取引するにあたり住宅ローン取り付けをどうしたらいいのかをYouTube動画で多数解説する活動も行う。
弁護士、司法書士、行政書士などの士業の立ち上げた親族間の問題を解決するための組織、一般社団法人結い円滑支援機構の立ち上げにも参画し現在は理事も務める。
『親族間売買最適取引支援の窓口』を運営するコーラル株式会社とは?
コーラルは、多くの不動産会社が不得意とする下記事案を特異な取り組みでサービス事業展開しています。
1.「日本全国対応可 : 全国(オンライン相談)/ 対面相談: 首都圏大阪圏尚一部遠隔対応していない地域有」
2.「離婚問題に特化した不動産コンサルティング」
3.「ただ単に売却して終わりではない視点からの親族間売買」
4.「費用最大80%割引可のサービス展開」
5.「弁護士・司法書士と連携ワンストップ対応/法律専門家との連携体制」
6.「セカンドオピニオンサービス」
7.「納得するまで何回でも相談無料/オンライン対応可」
◎コーラル株式会社
所在地: 〒136-0071 東京都江東区亀戸5丁目5−11 第一ビル 205
電話番号: 0120-987-907
営業時間 AM10:00~PM7:00 定休日火曜日・水曜日
取材履歴
取材履歴はこちらからご確認ください。TV取材履歴&雑誌取材履歴
問い合わせ方法は、本サイトの「お問い合わせフォーム」かLINEよりお願いします。急ぎの方はフリーダイアル(0120-987-907)からでもお電話ください。手数料相場や計算方法で迷っている点、検討中の条件(物件の概要、売買価格、ローンの予定、親族間の関係など)を書いていただけると、より的確に案内できます。

なお、ここで扱う情報は一般的な解説です。個別の事情(物件の種類、契約形態、住宅ローンの有無、資金の流れ、当事者の関係など)によって結論が変わることがあります。最終判断は、必ず専門家へ確認してください。




