離婚時の不動産は、単純に「家を半分にする」のではなく、①売却して現金を分ける、②一方が取得して相手に代償金を支払う、③夫婦間売買で持分・所有権を整理する、④住宅ローンを借り換える、といった方法があります。
ここでは、練馬区・北区・豊島区の事例として解説しますが、あくまで事例は特定の実在する夫婦の個別案件を特定・再現したものではなく、各地域の立地を入れて作成した「実務上の想定事例」になっています。もし参考にされる場合は、住宅事情やマンション立地を踏まえて作成した、実務上想定される具体的な解決事例としてご確認ください。
なお、国税庁も、離婚に伴う財産分与で住宅を取得した場合や、共有持分を追加取得した場合について具体的な取扱いを示しています。また、財産分与は通常、贈与税の対象ではありませんが、財産分与額が過大な場合などは例外があります。
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離婚時の財産分与の基本
日本の離婚における財産分与は、婚姻期間中に夫婦で協力して築いた財産を公平に分け合う制度です(民法第768条)。
財産分与の3つの種類
- 清算的財産分与(中心となる要素)
婚姻中に夫婦の協力で形成した実質的な共有財産を、名義に関わらず清算・分配します。原則として寄与割合は各2分の1(2分の1ルール)とされます(専業主婦/主夫の場合も同様)。 - 扶養的財産分与
離婚によって一方が経済的に困窮する場合、自立するまでの生活を支援する目的で支払われるものです。 - 慰謝料的財産分与
離婚原因を作った側(不貞やDVなど)が支払う慰謝料を、財産分与の中に含めて支払う形態です(別途慰謝料として請求することも可能)。
対象となる財産と対象外の財産
| 区分 | 主な具体例 | 扱い |
| 共有財産(分与対象) | 預貯金、婚姻期間中の掛け金に相当する保険・退職金、不動産、車、株式・投資信託、家具・家財 | 名義にかかわらず、婚姻期間中に増加・形成された分が対象 |
| 特有財産(対象外) | 独身時代の貯金、婚姻中に自己の親から相続・贈与された財産、個人の専用品 | 個人の財産とみなされ、分与の対象外 |
| 消極財産(負債) | 住宅ローン、生活費目的の借入 | 婚姻生活のための借金はプラスの財産から控除(個人的なギャンブル等の借金は対象外) |
実務上の重要ポイント
- 財産分与の基準時期・別居時点の財産の扱い(確定のタイミング)
分与対象となる財産の確定は、原則として別居時(別居せずに離婚した場合は離婚成立時)の財産状況が基準となります。 - 請求期限(除斥期間)離婚成立の日から5年以内に請求
(家庭裁判所への調停・審判の申し立て等)を行う必要があります。5年を経過すると法的な請求権が消滅するため注意が必要です。
離婚時の財産分与における相続・贈与・婚前資金で購入した家の特有財産性について
婚姻中に取得した不動産(家)であっても、購入資金の出所が「相続・親からの贈与・独身時代の預貯金(婚前資金)」である場合、その資金割合に応じた「特有財産性」が認められ、財産分与の対象から除外されます。
実務上の主な判断基準と計算方法は以下の通りです。
1. 資金拠出パターン別の基本的な扱い
| パターン | 特有財産性の扱い | 財産分与の対象 |
| 全額を特有財産で一括購入 | 不動産全体が特有財産 | 原則として分与対象外(0円) |
| 特有財産+夫婦の共有財産(頭金のみ特有財産、ローンは婚姻中の収入等) | 拠出割合に応じて特有財産と共有財産が混在 | 共有財産に相当する割合部分のみが分与対象 |
2. 混在している場合の具体的な算定方法(割合的特有財産)
頭金に特有財産を充て、残りを婚姻中の住宅ローンで支払った場合などは、「取得時の総費用に対する特有資金の拠出割合」を算出し、現在の不動産価値に掛け合わせて清算します。
【計算の基本式】
- 特有財産割合 = 特有資金の拠出額 ÷ 不動産の取得総額(購入価格+諸費用)
- 現在の特有財産額 = 基準時(別居時)の不動産評価額 × 特有財産割合
- 共有財産部分(分与対象) = 基準時の不動産評価額 - 特有財産額 - 残存住宅ローン額
具体例
- 取得総額:4,000万円(うち頭金1,000万円を親からの相続・贈与金で支払い、3,000万円をローン)
- $\rightarrow$ 特有財産割合は 25%(1,000万 ÷ 4,000万)
- 別居時の不動産評価額:3,000万円、ローン残高:1,500万円の場合
- 現在の特有財産額:3,000万円 $\times$ 25% = 750万円
- 共有財産部分(アンダーローン):3,000万円 - 750万円 - 1,500万円 = 750万円
- $\rightarrow$ この750万円を夫婦で2分の1ずつ(各375万円)分与。
3. 実務上の注意点
- 立証責任(証拠の重要性)
不動産が共有名義(または相手方名義)になっていたり、婚姻中に購入されたりしている場合、原則として共有財産と推定されます。特有財産性を主張する側が、以下の客観的証拠を揃えて証明する必要があります。- 婚前・相続時の通帳履歴、遺産分割協議書
- 贈与契約書、親からの送金明細
- 不動産売買契約書、購入当時の資金計画書・領収書
- オーバーローンで家の価値がローン残高を下回る場合
不動産評価額から特有財産額とローン残高を差し引いてマイナスになる場合、その不動産自体の清算的財産分与価値は「0円」として扱われます。 - 建物の価値下落の影響
拠出した「頭金の額面そのもの」がそのまま返還されるのではなく、現在の物件価値に拠出割合を掛けて算定されるため、不動産価格が下落している場合は特有財産として評価される実額も目減りします。
なお、協議(話し合い)で合意に至らない場合は、家庭裁判所に「財産分与請求調停」を申し立てて解決を図ります。
退職金・年金・保険など不動産以外の財産分与については、別頁で詳細解説していますので、そちらをご参照ください。
☛ 専業主婦の熟年離婚|財産分与・退職金・年金を徹底解説
練馬区の解決事例
練馬区では、練馬駅周辺、石神井公園、大泉学園など、戸建てとファミリータイプのマンションが混在しているため、「子どものために妻が住み続けたい」ケースを想定しやすい地域です。
事例1 練馬駅・ファミリータイプマンションを妻が取得
状況
- 場所:練馬区豊玉北・練馬駅徒歩8分
- マンション:3LDK・70㎡
- 査定価格:5,800万円
- 住宅ローン残高:3,200万円
- 名義:夫2分の1、妻2分の1
- 子ども:2人
- 妻は子どもとそのまま居住希望
- 夫は転居予定
財産価値
5,800万円-3,200万円=2,600万円
夫婦の実質的な持分を2分の1ずつとすると、
- 妻:1,300万円
- 夫:1,300万円
というイメージになります。
解決方法
妻が夫の持分を取得し、夫に1,300万円相当の代償金を支払う方法を検討。
ただし、妻単独では住宅ローンの返済能力が不足していたため、
「妻への住宅ローン借り換え+夫への代償金」
という形を金融機関と協議。
ポイント
「家を売らずに子どもの生活環境を維持したい」という希望を優先した事例です。
事例2 石神井公園駅・マンションを高値で売却して財産分与
状況
- 場所:練馬区石神井町
- 最寄り:石神井公園駅
- マンション:2LDK・65㎡
- 売却価格:6,500万円
- 住宅ローン残高:2,000万円
- その他の売却費用:約250万円
売却後の概算
6,500万円
-2,000万円(ローン)
-250万円(諸費用等)
=4,250万円
これを原則2分の1ずつとすると、
- 夫:約2,125万円
- 妻:約2,125万円
となります。
解決方法
妻は子どもと一緒に別の住宅へ転居。
マンションは売却して、
「不動産を現金化→ローン精算→残金を財産分与」
という最もシンプルな方法を採用しました。
この方法が向いているケース
- どちらも家に住み続ける必要がない
- 住宅ローンを一本化できない
- 夫婦双方が売却に合意している
- 不動産価格がローン残高を上回っている
事例3 大泉学園の戸建てを妻が夫から買い取る
状況
- 場所:練馬区東大泉
- 最寄り:大泉学園駅
- 戸建て:土地90㎡・建物4LDK
- 査定価格:4,800万円
- 住宅ローン残高:2,600万円
- 名義:夫単独
- 子ども:1人
- 妻は現在の家に住み続けたい
問題
妻はこの家を取得したいものの、
「夫名義のまま妻が住む」
状態を続けると、将来的に売却・相続・ローン・再婚などでトラブルになる可能性があります。
解決方法
そこで、
夫→妻への夫婦間売買
を検討。
例えば4,800万円を基準とした場合、
妻が住宅ローンを利用して夫から購入し、その売買代金から夫の住宅ローンを完済。
残った金額については、財産分与との関係を整理して精算します。
ポイント
これは単純な「家の名義変更」ではありません。
売買契約+住宅ローン+抵当権抹消+所有権移転+財産分与の精算
を一体として考える必要があります。
また、夫婦間売買では税務上の注意点があります。特に、マイホーム売却に関する譲渡損失の特例には、夫婦など特別な関係にある者への売却を対象外とする規定があります。
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そういう方のために離婚慰謝料の一般的な相場だけでなく、年収、婚姻期間、子どもの有無、有責行為の内容によって金額がどのように変わるのかをわかりやすく解説しています。ぜひご参照ください。
☛ 離婚慰謝料相場の計算方法|年収・婚姻期間・有責行為で確認
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コーラルの強みは、離婚時の夫婦間売買や親族間売買を前提に、相談から取引完了までを一気通貫で支える点です。練馬区、北区、豊島区のように家の価格が高めのエリアでは、売却一択にせず、住み続ける方法を残せるかが重要になります。そこを実務で詰めていくサービスです。
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利用時は、まず物件情報とローン残高、離婚協議の進み具合を確認し、売却か夫婦間売買かを整理します。そのうえで査定、金融機関確認、契約、登記へ進みます。条件が合うかは案件次第ですが、家を残したい人には相性がいい方法です。無理に売らない、という選択肢が持てるのは大きいです。
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以下ではコーラルで相談から取引までをお手伝いした練馬区、北区、豊島区で想定される、離婚時の財産分与に関する代表的な事例を10こご紹介します。実際の相談でもよく見られるケースを基にしたモデル事例です。
北区の解決事例
北区では、赤羽・王子・十条など、駅近マンションから住宅街まで選択肢が幅広いため、「売るか住み続けるか」だけでなく、マンション価格と住宅ローン残高の差を利用した財産分与も検討できます。
事例4 赤羽駅・マンションを妻が単独取得
状況
- 場所:北区赤羽
- 最寄り:赤羽駅徒歩6分
- マンション:3LDK・72㎡
- 査定価格:7,200万円
- ローン残高:4,500万円
- 子ども:2人
- 妻が居住継続希望
計算
7,200万円-4,500万円
=2,700万円
夫婦共有財産として考えると、
- 妻の持分:1,350万円
- 夫の持分:1,350万円
が一つの基準になります。
解決方法
妻が住宅を取得し、
夫に1,350万円を代償金として支払う
方向で協議。
妻の収入だけでは不足したため、
- 妻名義への借り換え
- 親族からの資金援助
- 財産分与対象となる預貯金との相殺
などを組み合わせる方法を検討しました。
◎ 共有名義・単独名義の不動産の扱い
離婚時、不動産の名義はどのように整理するかが問題になります。例えば、共有名義不動産と住宅ローンは夫のみの場合の離婚後の対処法はとても厄介なことでしょう。
このような状況においては、早めの専門家への相談が望ましいです。具体的には次の解説が参考になります。
☛ 共有名義不動産と住宅ローンは夫のみの場合の離婚後の対処法
事例5 王子駅・築年数の経過したマンションを売却
状況
- 場所:北区王子
- 最寄り:王子駅
- マンション:2LDK・58㎡
- 売却価格:4,300万円
- ローン残高:2,900万円
- 売却諸費用:約180万円
手取り
4,300万円
-2,900万円
-180万円
=1,220万円
夫婦それぞれの財産分与分を、
約610万円ずつ
としました。
解決方法
夫は都内勤務のため別の賃貸住宅へ。
妻も子どもと別の住宅へ転居。
結果として、
「家をどちらが取るか」という争いを避け、売却して現金で分ける
方法を選択しました。
メリット
この方法は、
- 住宅ローンの問題
- 名義変更
- 夫婦間売買
- 将来の売却問題
をまとめて解消できるのが大きなメリットです。
事例6 十条駅・再開発エリア近くのマンション
状況
- 場所:北区上十条
- 最寄り:十条駅
- マンション:2LDK・60㎡
- 査定価格:5,900万円
- ローン残高:3,100万円
- 名義:夫
- 妻が子どもと居住
- 妻は売却したくない
問題
夫は、
「離婚するなら自分の持分・資産を整理したい」
と主張。
妻は、
「子どもの学校を変えたくないので家を売りたくない」
という状況でした。
解決方法
不動産を5,900万円程度と評価したうえで、
妻による夫持分の取得
を検討。
住宅ローンについては、
夫の債務から妻単独の住宅ローンへの借り換え
を金融機関に相談。
夫には、妻からの代金支払いと財産分与を組み合わせて精算しました。
ポイント
このケースでは、
「売却」ではなく「妻が家を買い取る」
という選択肢が重要になります。
豊島区の解決事例
豊島区は池袋を中心に非常に利便性が高く、駒込・巣鴨などにもファミリータイプのマンションがあります。
そのため、マンション価格が高い場合には、「家を売ると高額になるが、妻が住み続けたい」という財産分与問題が起こりやすいケースを想定できます。
事例7 池袋・マンションを売却して財産分与
状況
- 場所:豊島区西池袋
- 最寄り:池袋駅
- マンション:3LDK・68㎡
- 査定価格:8,000万円
- ローン残高:4,000万円
- 売却費用等:約250万円
手取り
8,000万円
-4,000万円
-250万円
=3,750万円
単純に2分の1とすれば、
- 夫:約1,875万円
- 妻:約1,875万円
です。
解決
妻は住宅価格が高いため、
「妻が家を買い取る」
ことが難しいと判断。
そこで、
売却→ローン完済→残金を財産分与
としました。
ポイント
池袋のように不動産価格が高い地域では、
「家を残すこと」よりも、
高値で売却して財産を現金化する
ほうが夫婦双方にとって公平になるケースがあります。
事例8 駒込駅・築浅マンションを妻が取得し住み続ける
状況
- 場所:豊島区駒込
- 最寄り:駒込駅
- マンション:2LDK・62㎡
- 査定価格:6,800万円
- ローン残高:3,800万円
- 子ども:1人
- 妻:正社員
- 夫:別居予定
財産価値
6,800万円-3,800万円
=3,000万円
夫婦の共有財産として、
1,500万円ずつを基本線として協議。
解決方法
妻がマンションを取得。
夫には、
1,500万円相当を代償金として支払う
方向で調整しました。
ただし、現金1,500万円を持っていなかったため、
- 預貯金
- その他の財産
- 妻が引き受ける住宅ローン
- 退職金等の財産分与
を総合的に考慮して調整。
ポイント
財産分与では、
「家だけを見て半分にする」必要はありません。
預貯金、株式、退職金など他の共有財産と組み合わせて最終的な公平性を調整する方法があります。
事例9 巣鴨駅・マンションを夫から妻へ夫婦間売買
状況
- 場所:豊島区巣鴨
- 最寄り:巣鴨駅徒歩7分
- マンション:2LDK・55㎡
- 査定価格:5,500万円
- ローン残高:2,400万円
- 名義:夫単独
- 妻と子どもが居住
- 妻は現在の住居を維持したい
問題
夫は離婚後に住宅ローンから外れたい。
妻は、
「子どもの生活環境を変えたくない」
という希望。
解決方法
そこで、
夫→妻への夫婦間売買
を選択肢として検討。
妻が住宅ローンを利用して購入。
売買代金から夫の既存住宅ローンを完済し、抵当権を抹消。
そのうえで、
妻を所有者・住宅ローン債務者に変更
する方法です。
財産分与との調整
例えば、
住宅の実質価値=
5,500万円-2,400万円
=3,100万円
とすると、夫婦間の財産分与額を別途計算し、
「売買代金」と「財産分与で妻が取得する権利」を二重計上しない
ように調整することが重要です。
事例を比較すると
| 区 | 場所 | 解決方法 | 家の価格例 | 主なポイント |
|---|---|---|---|---|
| 練馬区 | 練馬駅・豊玉北 | 妻が取得+代償金 | 5,800万円 | 子どもの生活維持 |
| 練馬区 | 石神井公園 | 売却 | 6,500万円 | 売却して現金分与 |
| 練馬区 | 大泉学園 | 夫婦間売買 | 4,800万円 | 妻が家を買い取る |
| 北区 | 赤羽 | 妻が取得+借換え | 7,200万円 | 高額マンション |
| 北区 | 王子 | 売却 | 4,300万円 | ローン精算後に現金分与 |
| 北区 | 十条 | 夫婦間売買 | 5,900万円 | 居住継続+名義整理 |
| 豊島区 | 池袋 | 売却 | 8,000万円 | 高値売却で現金化 |
| 豊島区 | 駒込 | 妻が取得+代償金 | 6,800万円 | 他の財産と総合調整 |
| 豊島区 | 巣鴨 | 夫婦間売買 | 5,500万円 | 妻がローンを引き継ぐ |
特に重要なのは「3つの解決方法」
今回の9事例を整理すると、離婚時の家は大きく次の3パターンに分けられます。
① 売却する
家を売る
↓
住宅ローンを返済
↓
売却費用を精算
↓
残ったお金を財産分与
最も分かりやすい方法です。
② 夫または妻が家を取得する
例えば妻が住み続ける場合、
妻が家を取得
↓
住宅ローンを妻側に整理
↓
夫に代償金を支払う
↓
妻の単独所有
という方法です。
国税庁にも、離婚による財産分与で住宅を取得したケースや、元夫の共有持分を追加取得したケースについての具体的な取扱いがあります。
※住宅ローンの連帯保証・連帯債務・ペアローンについてはsの詳細を別頁で解説していますのでご参照ください。
☛ 離婚後、住宅ローン残債有りの家に妻が住むには?財産分与・名義変更はどうなる完全ガイド【2026年版】
③ 夫婦間売買
これは非常に重要です。
例えば、
夫名義の家
↓
離婚
↓
妻が夫から購入
↓
妻の住宅ローンへ借換え
↓
夫のローン完済
↓
妻名義へ
という方法です。
ただし、これは単純な名義変更ではなく、売買価格・住宅ローン・財産分与・税金・抵当権・登記を一体として設計する必要があります。
また、財産分与による不動産の移転でも、分与する側には原則として時価を基準とした譲渡所得の問題が生じ得ます。
そして、実務では「家の価格-ローン残高」が最重要
例えば、
6,000万円の家
-3,500万円の住宅ローン
=2,500万円
なら、基本的にはこの2,500万円の純資産を中心に財産分与を考えます。
逆に、
4,000万円の家
-4,500万円のローン
=▲500万円
なら、単純に「家が4,000万円だから夫婦で2,000万円ずつ」という話にはなりません。
つまり、離婚時の不動産問題では、
「いくらで売れる家なのか」ではなく、「売却時に最終的にいくら残るのか」
を見ることが非常に重要です。
また、夫婦間売買の場合は、通常の市場価格とかけ離れた価格を設定すると税務上の問題が生じる可能性があります。離婚による財産分与は通常贈与税の対象ではない一方、過大な財産分与には贈与税の問題が生じ得るため、売買と財産分与を混同しないことが重要です。
よくある質問(FAQ:Q&A)
Q.住宅ローンが残る家を財産分与できますか?
A.できます。ただし、家の時価とローン残高を確認し、売却、買い取り、借り換え、居住継続のどれが可能かを判断します。オーバーローンの場合は、残る債務の負担方法も合意が必要です。
Q.夫名義の家に妻が住み続けるときのリスクは?
A.夫の滞納、売却、差し押さえ、名義変更拒否のリスクがあります。金融機関の承諾を得たうえで、居住期限、返済、売却条件を協議書や公正証書に記載してください。
Q.財産分与の請求期限はいつまでですか?
A.原則として離婚後5年以内です。期限や法改正の影響を受ける可能性があるため、早めに弁護士へ確認します。家の査定や資料収集は離婚前から始めると安心です。
Q.査定額と固定資産税評価額のどちらを使いますか?
A.離婚時の財産分与では、通常、市場価格を示す不動産査定額を中心に考えます。固定資産税評価額や路線価は別の目的の評価額です。複数査定で価格の妥当性を確認してください。
この記事の執筆者、監修者
この記事の執筆者
井上朝陽 宅地建物取引士、住宅ローン設計士、親族間売買上級アドバイザー
専修大学卒業後コーラル株式会社へ。不動産売買業務従事10年以上の間、総計売買数700件以上を担当し成約する。コーラル大阪店開設にあたり店長として赴任、大阪圏の売買経験も積む。現在は本店に戻りコーラル勤務当初から大学で学んできたマーケテイングの知識を生かし、コーラルのWEBマーケティング統括責任者も務める。
住宅ローン設計士として不動産の親族間売買時の住宅ローンアドバイス実績はすでに300件以上熟し、金融機関からの信頼も厚い。
親族間で不動産取引するにあたり住宅ローン取り付けをどうしたらいいのかをYouTube動画で多数解説する活動も行う。
弁護士、司法書士、行政書士などの士業の立ち上げた親族間の問題を解決するための組織、一般社団法人結い円滑支援機構の立ち上げにも参画し現在は幹事も務める。
◎執筆者からの一言
本サイトでは、宅地建物取引士として住宅・不動産の売買実務を中心に、登記手続き、媒介契約、報酬(仲介 手数料)の考え方まで、手続きの流れが分かるように整理して書いています。親族間不動産売買では、事情が複雑になりやすい案件が多く「結局、仲介が必要なのか」「手数料はどこで発生するのか」という論点が抜け落ちないよう、計算の前提や注意点を噛み砕いて書いています。私自身、親族間の売買ほど金額の話だけで終わらせない方が安全だと思っています。そこを丁寧に補う設計を意識して仲介業務を行っています。
この記事の監修者
石井雄二 宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー、親族間売買上級アドバイザー
不動産業界歴25年以上の間、さまざまな不動産関連の仕事に従事する中で宅地建物取引士兼ファイナンシャルプランナーとして1500名以上の方に住宅ローンのアドバイスを行う。コーラルではとても取得が難しいといわれる親族間売買上級アドバイザーとして月間10件以上、総計500名以上に住宅ローンアドバイスと取り付けを行う。金融知識、相続、住宅ローン問題等幅広い知識と業務経験を武器に、より多くのお客様の「人生にお役に立つ不動産運用の専門家を目指したい」との思いからコーラル株式会社に参画。
親族間で不動産取引するにあたり住宅ローン取り付けをどうしたらいいのかをYouTube動画で多数解説する活動も行う。
弁護士、司法書士、行政書士などの士業の立ち上げた親族間の問題を解決するための組織、一般社団法人結い円滑支援機構の立ち上げにも参画し現在は理事も務める。
◎監修者からの一言
不動産取引とローンや税務の多方面から法的な観点をチェックできる専門家として監修しています。宅地建物取引士として不動産の契約実務や重要事項説明の要点を確認し、さらにファイナンシャルプランナーとしてローンの設計、また親族間の移転に伴う税の論点(贈与と売買の線引き、譲渡・取得に関わる考え方、必要書類の整理など)を点検しています。親族間 不動産売買 仲介 手数料の話は、相場や計算だけ見てしまうと誤解が出やすい領域です。そのため、仲介業者の関与が必要になる場面、不要で済む可能性、そして見落としがちなリスクの所在を、実務目線で整えています。
なお、ここで扱う情報は一般的な解説です。個別の事情(物件の種類、契約形態、住宅ローンの有無、資金の流れ、当事者の関係など)によって結論が変わることがあります。最終判断は、必ず専門家へ確認してください。
問い合わせ方法は、本サイトの「お問い合わせフォーム」よりお願いします。





