親子で考える資産防衛術;都心マンションを親から子へ。

目次

親は郊外の駅前マンションへ住み替える「親子間売買」という選択

「親は都心のマンションを持っている。でも、老後を考えると、これほど大きな家は必要ない」

「子どもは都心で住宅を取得したい。でも、現在の不動産価格では簡単には買えない」

このような親子が増えています。

そこで考えられる方法の一つが、

親が所有する都心マンションを子どもに売却し、親はその売却資金の一部を使って、郊外の駅前マンションへ住み替える「親子間売買」

です。

これは単に「親の家を子に譲る」という話ではありません。

親にとっては、

  • 老後の住まいをコンパクトにする
  • 生活利便性の高い駅前へ移る
  • 都心の不動産を現金化する
  • 老後資金を確保する

という目的があります。

一方、子どもにとっては、

  • 都心の住宅を取得する
  • 新築・中古市場から新たに物件を探す必要を減らす
  • 親が所有している不動産を有効活用する
  • 将来的な資産承継を考える

というメリットがあります。

今回は、東京都の中央区・港区・千代田区にある都心マンションをモデルに、具体的な3つのケースをご紹介します。

※以下の事例は、実在するマンションの市場価格・売出事例等を参考にした「モデルケース」です。実際の親子間売買では、物件の個別性や市場価格、住宅ローン、税務等を確認する必要があります。


中央区モデル:月島のマンションを子へ売却し、親は駅前マンションへ

最初は、東京都中央区のケースです。

中央区月島には、高層マンションやタワーマンションが数多くあります。

例えば「MID TOWER GRAND」のようなマンションです。

中央区の中古マンション市場は高価格帯となっており、2026年1~3月の70㎡換算平均価格は約1億3,075万円というデータもあります。

そこで、次のような親子を想定してみます。

親

  • 年齢:65歳
  • 中央区月島在住
  • 専有面積:約70㎡
  • マンションの想定時価:1億4,000万円
  • 住宅ローン:完済

子

  • 年齢:35歳
  • 都心勤務
  • 結婚・子育てを考えている
  • 都心で住宅を取得したい

親は65歳。

これからの生活を考えると、70㎡の都心マンションに住み続ける必要性が薄くなってきました。

そこで、

「このマンションを子どもに売却して、自分はもう少しコンパクトな住宅へ移る」

という選択肢を検討します。


親から子へ1億1,500万円で売却

仮に、周辺の成約事例や物件の個別条件などを踏まえ、親子間売買の価格を、

1億1,500万円

とします。

子は住宅ローン等を利用して、このマンションを購入します。

親は1億1,500万円を受け取ります。

ここで重要なのが、

親子間だから自由な価格で売ってよいわけではない

ということです。

親から子へ著しく低い価格で不動産を売却した場合、その差額が贈与とみなされる可能性があります。

したがって、

「市場価格の80%なら必ず大丈夫」

という単純な考え方はできません。

実際の取引では、

  • 周辺の成約事例
  • 不動産会社による査定
  • 物件の階数・向き
  • 築年数
  • 専有面積
  • 修繕状況
  • 市場環境

などを確認し、

「なぜこの売買価格なのか」

を説明できるようにしておくことが重要です。


親は柏駅徒歩3分のマンションへ

親は、売却によって得た資金を使い、今度は郊外の駅前マンションへ住み替えます。

例えば、柏駅徒歩3分の「ライオンズタワー柏」では、2026年時点で71.64㎡・3LDK・8,480万円という売出事例があります。

仮に親が、

7,000万円の駅前マンション

を購入したとします。

すると、

都心マンション売却

1億1,500万円

↓

新居購入

▲7,000万円

↓

残り

約4,500万円

となります。

もちろん、実際には売却・購入に伴う仲介手数料、登記費用、税金などが発生するため、手元に残る金額はこれより少なくなります。

それでも、

「1億4,000万円の不動産に住み続ける」

という資産構成から、

「7,000万円程度の駅前住宅+4,000万円超の資金」

という資産構成へ変えることができます。

これが親子間売買を利用した、

「住まいと資産の組み替え」

です。


港区モデル:赤坂のマンションを子へ売却し、親は郊外へ

次は港区です。

港区には、非常に高額なマンションが数多くあります。

例えば、

パークコート赤坂檜町ザタワー

などです。

2026年には70㎡程度の住戸で5億円を超える売出事例も確認できます。

もちろん、これは港区の中でも非常に高額なケースです。

しかし、このような高額マンションを所有する親にとって、

「自宅をそのまま持ち続けることが、本当に最適なのか」

を考えるきっかけになります。


親は68歳

モデルケースとして、

親

  • 68歳
  • 港区赤坂
  • 70㎡
  • 想定時価:5億円
  • 住宅ローン:なし

子

  • 40歳
  • 都心勤務
  • 住宅取得を希望
  • 自己資金5,000万円

とします。

親は5億円のマンションを所有しています。

しかし、子どもからすると、

「都心でこれだけの不動産を購入するのは簡単ではない」

という状況です。

そこで、親子間売買を検討します。


親から子へ4億円で売却

仮に、物件の個別条件や市場価格等を踏まえ、

4億円

で売却できるとします。

子は住宅ローン等を利用して購入。

親には4億円の売却資金が入ります。

そして親自身は、

8,000万円程度の駅前マンション

へ住み替えます。

すると、

4億円

-8,000万円

=

3億2,000万円

です。

ここから諸費用や税金等を考慮する必要がありますが、親は、

「5億円の自宅を所有している」

状態から、

「8,000万円程度の自宅+3億円超の金融資産等」

という資産構成へ変えることができます。


これは「老後資金対策」という意味でも考えられる

高齢になってからの生活で問題になるのは、

「資産はあるけれど、現金が少ない」

という状態です。

5億円のマンションを持っていても、そこに住んでいる限り、その5億円をそのまま生活費として使うことはできません。

そこで、

不動産を売却する
↓
自分が必要とする住宅を購入する
↓
残った資金を老後資金等として確保する

という考え方ができます。

つまり、

不動産1つ

から、

「住居+金融資産」

へ資産を分解するわけです。


3.千代田区モデル;飯田橋・富士見のマンションを子へ

3つ目は千代田区です。

千代田区富士見には、

パークコート千代田富士見ザタワー

があります。

2026年には70㎡前後の住戸について2億円台の参考価格が示される一方、より広い住戸では4億円を超える売出事例もあります。

ここでは比較的現実的なモデルとして、

親

  • 67歳
  • 千代田区富士見
  • 約71㎡
  • 想定時価:2億4,000万円
  • 住宅ローン:なし

子

  • 38歳
  • 都心勤務
  • 都心住宅を希望
  • 自己資金3,000万円

とします。


親から子へ2億円で売却

仮に、

2億円

で親から子へ売却するとします。

子は住宅ローン等を利用して購入。

親は2億円を受け取ります。

そして、

7,000万円

程度の駅前マンションへ住み替えます。

すると、

2億円

-7,000万円

=

1億3,000万円

が残ります。

もちろんここから諸費用・税金等を考慮する必要があります。

それでも親にとっては、

「2億円超の都心マンションに資産が集中している状態」

から、

「駅前の新居+1億円を超える資金」

という状態へ資産構成を変更できます。


3つのケースを比較すると

中央区港区千代田区
親の住宅月島赤坂富士見
想定時価1.4億円5億円2.4億円
親→子売却価格1.15億円4億円2億円
親の新居約7,000万円約8,000万円約7,000万円
新居購入後の残額約4,500万円約3.2億円約1.3億円
親の目的老後資金・住み替え資産組み替え老後資金・資産整理
子の目的都心住宅取得都心住宅取得都心住宅取得

※売却価格・新居価格・残額はすべて説明用のモデル数値です。実際の売買価格や税額を保証するものではありません。


親子間売買は「家を譲る」だけではない

ここまでの3つの事例から分かることがあります。

親子間売買というと、

「親が子どもに家を安く譲る」

というイメージを持たれるかもしれません。

しかし、本来考えるべきなのは、それだけではありません。

親にとっては、

① 都心住宅を売却する

↓

② 自分に必要な広さ・立地の住宅へ住み替える

↓

③ 売却代金から老後資金を確保する

↓

④ 残った資産について将来の承継を考える

という一連の資産設計です。

一方、子どもにとっては、

① 親が所有する都心住宅を購入する

↓

② 自分の住宅として利用する

↓

③ 将来の資産形成につなげる

という選択肢になります。


「都心の親」と「住宅を買いにくい子」をつなぐ

現在の不動産市場では、

都心の住宅価格が高くなり、若い世代が都心住宅を取得しにくい

という問題があります。

一方で、

高齢の親が都心の大きなマンションを所有している

という家庭もあります。

この二つをつなぐ方法の一つが、

親子間売買

です。

特に、

「都心の親」×「住宅を買いにくい子」

という組み合わせは、今後の高齢化社会における不動産活用を考えるうえで、一つの重要なテーマになる可能性があります。


親の住み替え先は「安ければいい」わけではない

ここで重要なのが、親の住み替え先です。

単純に、

「都心の1億円のマンションを売って、3,000万円の家を買いましょう」

という話ではありません。

高齢になれば、

  • 駅までの距離
  • スーパー
  • 病院
  • 公共交通機関
  • バリアフリー
  • 管理状態
  • 将来の売却しやすさ
  • 子どもとの距離

なども重要になります。

そのため、

「郊外」ではなく「駅前」

という考え方が重要になります。

例えば、

駅徒歩3分

のような立地であれば、

車を運転できなくなった後の生活にも対応しやすくなります。


「都心の家」から「住みやすい家+現金」へ

親子間売買を利用した住み替えの本質は、

不動産の価値を失わせることではありません。

むしろ、

現在

都心マンション

1億5,000万円

↓

親子間売買

↓

親

駅前マンション

6,000万円

+

老後資金

9,000万円

というように、

「不動産に集中している資産」を「住居と現金」に分ける

ことにあります。

これは、高齢者の住み替えと資産承継を同時に考える方法の一つです。


ただし、親子間売買には注意点があります

親子間だからといって、通常の不動産売買より簡単になるわけではありません。

むしろ、

通常の第三者間売買以上に注意が必要な部分があります。

特に重要なのが、

1.売買価格

著しく低い価格で売買すると、贈与税の問題が生じる可能性があります。

2.住宅ローン

親子間売買では、一般的な住宅ローンと審査・取扱いが異なる場合があります。

3.税金

親には譲渡所得税等が発生する可能性があります。

子には不動産取得税、登録免許税などが発生します。

4.契約

通常の売買と同じように、

  • 売買契約書
  • 重要事項説明
  • 所有権移転
  • 決済
  • 抵当権設定
  • 登記

などを適切に行う必要があります。

5.相続

親が売却後に保有する現金についても、将来的な相続を考える必要があります。


大切なのは「売ること」ではなく「その後」

親子間売買を検討するとき、

「いくらで子どもに売れるか?」

だけを考えてはいけません。

重要なのは、

「売った後、親はどう暮らすのか?」

です。

例えば、

都心マンション1億5,000万円

↓

子へ売却

↓

親は駅前6,000万円のマンションへ

↓

約9,000万円の資金を確保

↓

老後生活費

医療・介護資金

将来の資産承継

などへ活用する。

ここまで考えて初めて、

「親子間売買を利用した資産有効活用」

になります。


コーラルが考える「親子間売買」の新しい形

コーラルでは、親子間売買を単なる不動産売買としてではなく、

「親の住み替え」
「子世代の住宅取得」
「老後資金」
「資産承継」

を一体として考えることが重要だと考えています。

特に、

都心の親が、都心のマンションを子どもへ売却する。

そして、

親自身は、駅前のコンパクトなマンションへ住み替える。

その結果、

親には老後資金が生まれ、子には住宅が生まれる。

このような資産の組み替えが、親子間売買を利用する一つの方法です。


不動産の困ったに、答えを。

親子間売買は、

「親から子へ家を譲る」

だけではありません。

親の老後をどうするか。

子どもの住宅取得をどうするか。

都心の不動産をどう次世代へつなぐか。

そして、

親自身の老後資金をどう確保するか。

これらを一つの不動産取引の中で考えることができます。

コーラルでは、

「都心の親」×「住宅を取得したい子」

という親子の事情を丁寧に確認しながら、

売買価格、住宅ローン、住み替え先、税務・相続などを含めて、専門家と連携しながら親子間売買を検討します。

不動産を「売る・買う」だけではなく、

その先の家族の生活まで考える。

それが、これからの親子間不動産取引に必要な考え方ではないでしょうか。

不動産の困ったに、答えを。

CORAL

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